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[研究成果] 北村班の研究成果がCell Rep誌に掲載されました!

2019.12.17

Fukushima T, Tanaka Y, Hamey FK, Chang C-H, Oki T, Asada S, Hayashi Y, Fujino T, Yonezawa T, Takeda R, Kawabata KC, Fukuyama T, Umemoto T, Takubo K, Takizawa H, Goyama S, Ishihama Y, Honda H, Gottgens B, Kitamura T. Discrimination of dormant and active hematopoietic stem cells by G0 markers reveals dormancy regulation by cytoplasmic calcium. Cell Rep. 29:4144-4158.e7, Dec 2019.


造血幹細胞は自己を複製し維持しながら分化細胞を生み出すことによって、一生涯にわたり組織の細胞を維持する能力を有する。造血幹細胞には、普段は成熟血球の産生には関与せず、感染などのストレス時にのみ成熟血球の産生に寄与する休止期造血幹細胞と、恒常的に成熟血球の産生に関与する活動期造血幹細胞が存在すると考えられているが、休止期と活動期の調節機構や幹細胞性との関係性には不明な点が多かった。

当研究室では、変異型p27(p27K-)と蛍光蛋白質の融合分子がG0期の細胞が細胞周期に入る際に分解されることを利用し、G0期の細胞のみが蛍光を発する系を開発した(Oki et al Sci Rep, 2014)。本研究では、G0マーカーが造血系のみで発現するマウスを利用して、休止期の造血幹細胞だけでなく、活動期の造血幹細胞分画にも長期骨髄再構築能を有する細胞が存在することを見出した。更に、造血幹細胞はその幹細胞性を減ずることなく休止期から活動期への移行が可能であることを初めて明らかにした。またG0マーカーを用いて、休止期と活動期の調節に関わる因子探索のための機能的スクリーニングを行ない、細胞質のカルシウム濃度が高いことが造血幹細胞の低い活動性と幹細胞性の維持に関与することを明らかにした。

(Creマウスを変えれば目的の細胞特異的にG0マーカーを発現するマウスを作成可)