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[研究成果] 北村班の研究がCell Rep誌に掲載されました!

2022.06.12

Hayashi, Y., Kawabata, K.C., Tanaka, Y., Uehara, Y., Kiryu, S., Ota, Y., Yoshioka, Y., Mabuchi, Y., Sugiyama, T., Mikami, K., Tamura, M., Fukushima, T., Asada, S., Takeda, R., Kunisaki, Y., Fukuyama, T., Goyama, S., Yokoyama, K., Tojo, A., Katayama, Y., Arai, F., Nagasawa, T., Ochiya, T., Inoue, D., and Kitamura, T. (2022) MDS cells impair osteolineage differentiation of MSCs via extracellular vesicles to suppress normal hematopoiesis. Cell Rep 39:110805.


MDSではAMLと違って腫瘍細胞の強い増殖は認められません。それにも拘らず、多くの場合は正常造血が抑制され、汎血球減少が認められることがMDSの長年の謎の一つです。今までにも骨髄ニッチ細胞やMDS細胞が、TNFαなどのサイトカインを通じて正常骨髄を抑制するという報告はありました。

今回の研究は、我々のMDSモデルの一つABCG2過剰発現で発症するMDSモデル(Kawabata et al. Leukemia 2018)を利用して正常造血が抑制される新しいメカニズムを解明したものです。MDS細胞由来のエクソソームが骨髄MSCにmiRNAを送り込むことによってOsteoblastへの分化、骨形成を抑制することによって正常造血を抑制することを解明しました。ヒトMDS患者さんでも同年齢のコントロールに比べ有意に骨は薄く、少数例ながらMDS患者のMSCも造血幹細胞のコロニー形成を支持できないこと、強制的にMSCを分化誘導すると正常造血支持能が回復することを確認しました。

今回の論文はMDSに関する長年の謎を少なくとも一部を解明したと考えられます。