活動状況

[研究成果] 中西班(鵜木)の研究成果がGenes Cells誌に掲載されました!

2020.01.19

Ohishi, H.*, Au Yeung, W.K.*, Unoki, M., Ichiyanagi, K., Fukuda, K., Maenohara, S., Shirane, K., Chiba, H., Sado, T. & Sasaki, H. (*These authors equally contributed to the work.) Characterization of genetic-origin-dependent monoallelic expression in mouse embryonic stem cells. Genes Cells 25, 54-64 (2020)


単アレル性遺伝子発現は哺乳類の様々な細胞で起こり、それらはDNA配列依存的に、エピジェネティックに、もしくは確率論的に制御されている。我々は、2i/LIF条件下で培養したF1ハイブリッド(遺伝的交雑)マウスの胚盤胞から樹立した胚性幹細胞(ES細胞)において、7つの既知のゲノムインプリント遺伝子を含む合計145個の単アレル性発現遺伝子(MoEGs)を同定した。インプリント遺伝子を除く全てのMoEGsが遺伝的由来に依存的な発現様式を示したため、このようなMoEGsの発現制御機構に焦点を絞り研究をおこなった。我々は、2i/LIF条件下で同定した遺伝的由来に依存的なMoEGsの大部分は、血清/LIF培養条件下でも単アレル性発現を保持するが、細胞の分化に伴い、単アレル性発現が緩むか、もしくは両アレル性発現へと転換することを明らかにした。このようなMoEGsとその制御領域には、一塩基多型(SNP)が多く認められた。さらに、多能性幹細胞ではある種のレトロトランスポゾンが制御エレメントとして働くという事実と一致して、いくつかのMoEGsにはレトロトランスポゾンの挿入/欠失多型との関連が認められた。興味深いことに、ほとんどのMoEGsにおいてヒストンH3K27とH3K4のメチル化修飾の集積にアレル間の差が認められ、エピジェネティックな修飾の差異と単アレル性発現とが関連付けられた。対照的に、CpGのメチル化やH3K9のメチル化のアレル間の差はわずかであるか、もしくは認められなかった。これらの結果から、ES細胞における単アレル性のエピジェネティック修飾と単アレル性遺伝子発現における、SNPやレトロトランスポゾンの挿入/欠失などの遺伝的多様性の重要性が明らかになった。